株式会社奥原造園 街を彩る潤い空間創造社

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コラム

中信地区の都市公園

長野県松本平広域公園 信州スカイパーク

中信地区で代表される都市公園としては、松本市、塩尻市に跨る「長野県松本平広域公園」が挙げられます。この公園は、長野県民福祉の増進に寄与することを目的として、住民にスポーツ及びレクリエーションの場を提供するため、都市公園法及び条例の規定に基づき設置されたものです。

施設の規模は、面積141.6haで、広域公園に分類されます。平成6年4月に一部開園して平成14年10月に全部開園となりました。

主な施設は、以下などがあります。

競技スポーツゾーン
陸上競技場、補助競技場、球技場、庭球競技場、相撲競技場、体育館
みどりの交流ゾーン
総合球技場、芝生グラウンド
ターミナルゾーン
やまびこドーム
ファミリースポーツゾーン
パターゴルフ場
野と花のゾーン
芝生広場
花のプロムナードゾーン
花木の小径
スカイパーク空撮

公園の沿革は、昭和52年9月に、前身となる県営松本運動公園が開設され、翌年の昭和53年10月に第33回国民体育大会秋季大会(やまびこ国体)が、松本運動公園を主会場に長野県で開催されました。

平成3年1月に広域的スポーツ・レクリエーションのニーズに対応すると共に、松本空港周辺の環境整備を図るため、県下初の県営広域公園「松本平広域公園緑地」が148.7haの規模で都市計画決定(既設の松本運動公園を含む)されました。

平成5年5月には、広域公園のターミナルゾーン予定地に、信州博覧会のメイン会場となる「グローバルドーム」等博覧会施設が完成しました。

平成5年7月から建設省「地域イベント推進事業」第1号に認定された信州博覧会が、同年9月26日までの日程で開催されました。

コスモス畑

平成6年2月に財団法人長野県公園公社設立の発起人会が開催されました。松本平広域公園の愛称及び同公園の施設として存続されることになったグローバルドームの名称が、公募により、それぞれ「信州スカイパーク」・「やまびこドーム」と決定されました。

平成6年4月に松本平広域公園50.5ha(競技スポーツゾーン《旧松本運動公園》・ターミナルゾーン《信州博覧会会場》)が供用開始され、一部開園となりました。

平成6年7月にファミリースポーツゾーン(南管理棟ほか)、花のプロムナードゾーン合わせて22.0haが供用開始され、平成7年4月にターミナルゾーン(展望台ほか)3.1ha、平成7年6月に野と花のゾーン(信州花の広場ほか)12.4ha、平成7年9月にファミリースポーツゾーン(多目的広場)、野と花のゾーン(迷園)及びみどりの交流ゾーン(多目的広場)合わせて6.6ha、平成8年3月にファミリースポーツゾーン(芝生広場)、野と花のゾーン(ワイルドフラワー園ほか)及びみどりのプロムナードゾーン合わせて21.9haが供用開始され、延面積116.5haとなりました。

平成8年12月には「平成の大改修」と称された、陸上競技場及び補助競技場の大規模改修工事が完了しました。

平成9年4月にみどりの交流ゾーン(街かど広場)1.9haが供用開始されました。

平成9年10月には、社団法人日本公園緑地協会主催の「第13回都市公園コンクール《管理運営部門》」で建設省都市局長賞を受賞しました。

平成12年4月に松本平広域公園みどりの交流ゾーン(花木広場、親しみ広場、芝生グラウンド)10.0haが供用開始され、公社が管理運営業務を受託しました。(やまびこ国体)が、松本運動公園を主会場に長野県で開催されました。

平成13年4月に松本平広域公園みどりの交流ゾーン(総合球技場、東エリア)11.8ha、平成14年10月に松本平広域公園みどりの交流ゾーン(東エリア)1.2haが供用開始され、延面積141.6haとなり、約10年を擁して全部開園となりました。.7haの規模で都市計画決定(既設の松本運動公園を含む)されました。

平成18年から管理主体が指定管理者に移行され、運営方法、管理方法が以前に増して良好となり、全体的なイメージが「きれいな公園」になり、来園者も非常に増えています。

県民の憩いの場になっていることは勿論の事、一日中居ても遊びきれなく、健康保持や様々な交流にとても重要な施設となっています。

スカイパーク アスレチック

アルプス公園

もう1つ、中信地区の代表的な都市公園として、松本市のアルプス公園があります。

この公園は、1974年(昭和49年)に、松本の市街地に隣接した北アルプス連峰や安曇野を一望する丘陵に約29.3haの総合公園として開園しました。これまでに、諸設備の整備を進め、松本市民をはじめ広域住民の憩いの場として親しまれています。

松本市は平成10年度から9年の歳月をかけ、豊富な自然が残る樹林地を市民の貴重な資産として将来へ向け存続させ、魅力ある自然環境を活用した公園として機能の充実を図り、2007年(平成19年)に市政施行100周年を機に、既開園部の北側約43.4haを加えて72.7haを追加開園して、自然環境を活用した魅力ある公園として、新しく、大きく生まれ変わらせました。

古くからアルプス公園とその周辺地域は、人々が農業を主体とした生活の中で、緩斜面では耕作を行い、急傾斜地は薪炭となる木材や肥料となる落ち葉を採取するための雑木林として活用しながら、この地域の自然環境と関わってきました。

このような空間は「里山」と呼ばれ、日常生活と深く関わりながら、多様で豊かな動植物も育んできました。しかし、戦後の高度経済成長を機に生活様式の変化にともなって、耕作地や樹林は放置され、追加整備区域も、荒れ放題となっている場所でした。

再整備に当たり、土地利用の方針を明確に定め、既開園部は「時代の要請に対応する施設型公園整備」として、市民や広域住民の交流、賑わいの空間の創造を目指し各種広場、山岳資料展示施設、ふれあい動物園、大型遊戯施設などを活かした公園利用ができるよう再整備されました。

アルプス公園 雪だるま

主な施設として、以下などが再整備されました。

園路、広場、修景施設
音楽広場、水辺広場、子供冒険広場、山と自然博物館前広場
休養施設
四阿7棟
遊戯施設
子供冒険広場アスレチック遊具、ローラー滑り台
運動施設
マレットゴルフコース 36ホール
教養施設
小鳥と小動物の森
便益施設
南入り口駐車場181台、便所棟7棟
管理施設
公園維持管理詰所、小鳥と小動物の森管理事務所
アルプス公園 ドリームコースター

一方の、拡張部は「自然環境を重視した自然活用型公園整備」として、自然とのふれあい体験空間、また、四季の移り変わりを体感できる魅力ある自然を活かしながら、自然体験型利用、里山の自然創造、生物生息環境の保全を基本に整備されました。

主な施設として、

森の里広場

かつてこの地域の人々が耕作を行っていた比較的平坦な土地を当時の風景に復元した里山の生活を体験できる広場です。古民家風の休憩所、菜の花や蕎麦など季節の花に覆われた畑、ウメ、カキ、クリ、クルミなどの実のなる樹園、樹林など自然の素材を活用した遊びの空間が広がります。

生き物ふれあいの水辺

公園内で唯一の、谷間の小さな沢と水田跡地を活用した水辺のゾーンです。沢の水を保全しながら蛍や水生生物が生息できる流れの再生とともに、水田跡は花菖蒲や湿地性植物を集めて楽しめるよう演出されています。

アルプス公園 春の菜の花畑

花の丘

丘陵地の緩斜面を活かして季節の花を楽しめるゾーンです。この地に昔からあるカスミザクラやヤマツツジなどの花木や山野草など季節の花が美しく咲く丘として整備されています。

森の駐車場

公園東側の市道沿いの小丘陵を整備してアルプス公園全体の主要駐車場として整備されました。約500台の駐車スペースを有し、周囲は、既存林を残しながら季節の草花と緑に囲まれた魅力ある空間です。

森の入り口広場

既開園部から拡張部への入り口にあたるゾーンです。公園全域の中心になる広場で、公園全体の案内や自然体験・観察のための各種施設・休憩施設などを備えたセンター施設があります。

生き物ふれあいの森

現況の自然資源を最大限に活用し、里山の生き物にふれあうゾーンです。既存の尾根道に沿った樹林を林床の整理やニセアカシア林から雑木林へと林層転換を行い、動植物の多様な生息生育環境を創出し観察施設などを有します。

北入り口広場

この公園の北端で、松本トンネル取り付け道路に接し、北方面から公園への入り口となる広場です。北アルプスや安曇野の優れた眺望や広場近くのため池を活かした水辺を楽しめる休憩広場です。

アルプス公園 雑木林階段

広く、大きく整備されたことにより、松本市民や、広域住民に幅広く利用されるようになり、この地域のレクリエーション施設として無くては成らないものとなっています。

休日や、連休には駐車場も満車となり、散策に訪れたカップルや遊びに来た家族連れ等の人で溢れかえっています。

アルプス公園 秋の遊歩道

その他の公園

中信地区では、この2公園のほかに以下の公園などがあります。

  • 国営アルプスあづみの公園

    堀金・穂高地区、大町・松川地区
    国営アルプスあづみの公園 園児セレモニー
  • あがたの森公園

    堀金・穂高地区、大町・松川地区
    あがたの森図書館
  • 小坂田公園

    堀金・穂高地区、大町・松川地区
    小坂田公園 ゴーカート

修景協会 会報執筆